無農薬で作物を栽培するのは容易なことではないという事は、植物を育てたことがある人ならなんとなく解ると思います。河合果樹園で作っているこだわりの無農薬レモンも、いろいろな技術を総合して初めて栽培を可能にしています。放任栽培の無農薬ではなく積極的な技術で作っている無農薬レモンということで・・・。難しいお話は後回しにして、このページでは自然に存在する天敵を紹介していこうと思っています。これらの天敵は1年中働いてくれるわけではないので、発生に合わせた作物の管理が必要なのと、かなり注意して観察していないと見つけるのが難しいんですよ! まだまだ知らないことばかり何で、もし違ってるのがあったら教えてくださいね。 |
テントウムシの仲間
アブラムシやカイガラムシを食べます。 |
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おしべの上の黒い点がコクロヒメテントウです。こいつも探し始めて苦節・・・○○年。ほんとに小さいです。体長3mmほどでしょうか。画像を取り終えた瞬間飛んでいってしまったのですが、すぐに見失ってしまうほどでした。幼虫はしょっちゅう見るのに、成虫は?と思っていた謎がまた解けました。温室内の環境はどんどんよくなってる証拠だと思い、管理人さんもHAPPYです。
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葉っぱの上の白いのがコクロヒメテントウの幼虫です。一瞬、害虫のカイガラムシかと思いましたが、動きが速いのでもしやと思い調べたら益虫でした。今年は新しい仲間を発見してばかりで、ラッキー!!!。成虫の生態はよく分からないので、注意して観察してみま〜す!
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H15年はナナホシテンントウがとても少ないのですが、かわりに画像のヒメカメノコテントウをよく見かけます。レモンの温室の中でもアブラムシを食べてくれているんですが、カラスノエンドウの上でお楽しみ中のカップルを見つけたのでアップします。自然とは面白いものでアブラムシが少ないときはテントウムシも少なくて、バランスが取れているんだと感心させられます。この自然のバランスを大切にして、作物を生産していくように心がけて行きたいと・・・。結構、大変なんだけどね。 |
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レモンの温室の中では1月からアブラムシが発生し始めます。そのアブラムシをテントウムシが出てくるまでは、ピカコーという海藻注出物質、モミ酢、EM5などで密度を低いレベルに保ちます。3月も終わりになり、暖かい日にナナホシテントウが活動をはじると昆虫採集の始まりです。草むらのカラスノエンドウを目を凝らして見ると、ナナホシテントウの成虫と幼虫が寒そうに活動しています。それをビニール袋に入れて温室の中に放します。1日にテントウムシ1匹当り、だいたい5匹のアブラムシを食べるので徐々に密度が下がりだします。ここでのポイントは、ある一定の密度まで下がったら放任することです。なぜかというとアブラムシのついている葉にはエカキムシと言う害虫がつきにくくなるためです。私の想像ですが、アブラムシとエカキムシはお互いに拮抗しているのだと思われます。
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捕まえてる途中、私の手の上で産卵してしまいました。4/13
15年11月は暑すぎるぐらいあったかったので、ナナホシさんが羽化してました。温暖化のせいか?
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4月も半ばを過ぎると、草むらのオオバコの葉ににナミテントウムシの幼虫を見つけることができます。ナミテントウもアブラムシを食べる重要なムシなので、幼虫のついたオオバコの株さら温室の中に入れておきます。うまく成虫になることを祈って・・・。
同じ頃、ナミテントウの成虫は露地みかんの木で見ることができます。新芽のアブラムシを一生懸命食べています。またちょうど交尾の時期なのか、よく葉の上で見かけます。その画像をとったので紹介します。面白いことにオスは、交尾中に○○を使う事をはじめて知りました。○○は想像力を働かせてね。
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15年12月、とうとう露地みかんの園地でもベダリアテントウを見つけました。河合果樹園では厳納薬栽培につとめているためだんだんと天敵が増えています。 越冬するためみかんの上でちぢこまっていました。
同じようにヒメカメノコテントウもみかんの上で見つけましたが、コナカイガラムシのいるところにいるのでひょっとして・・・・。これも大発見か?レモンの葉っぱの上で↓成虫へと脱皮中!
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やっと見つけました。イセリアカイガラ虫(白い方)を食べているベダリアテントウの幼虫です。イセリアカイガラ虫を潰すと赤い体液が出てきます。(当園では無農薬栽培のため手で潰して殺しています。この前、妻がベダリアテントウの幼虫を害虫と思って潰してしまいました。ごめんなさい。)
潰すと出て来るこの色素はコチニールといってかまぼこ、なると、ウインナーなんかの赤色に使われている食品添加物です。食品の裏のラベルをよく見てください。驚きでしょ!
ベダリアテントウの幼虫が赤っぽいのはそのためかな?WEB上でも幼虫の画像は見たこと無いんできっとすごいスクープかも・・・。勝手に画像もってかないでね〜。
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15年12月、露地みかんの園地で見つけました。ヒメアカボシテントウだと思います。こいつもカイガラムシを食べると言うことですが、私も初めて見ました。
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カマキリ
好き嫌いなく、何でも食べます。 |
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秋から3月にかけてカマキリの卵を見つけたら温室の中に入れておきます。今年は4月17日に卵からかえりました。ちょうどかえったのを見ることができてラッキーの一言。1つの卵からだいたい20匹の幼虫が出てきました。しばらく観察していましたが、生まれたレモンの木から他の木に移動しようとしません。次の日に見てみるとその木のアブラムシはすべていなくなっていました。成虫で体の3分の2の餌を食べるらしいので、テントウムシより食欲はとても旺盛のようです。大きくなったら仕事中にびっくりさせられるかも? |
11月に見つけたメスのカマキリを温室の中に入れておいたら、すぐに卵を産みました。産卵するところは見ることができませんでしたが、生みたてホカホカの白い卵の画像を取ることがでたのでアップします。なかなか頭がいいと思ったのは、ちゃんとんとカイガラムシのいるところに産卵していることでした。画像の小さい白いのがカイガラムシです。
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レモンの温室内でアゲハチョウの幼虫を食べた後のカマキリさんです。下にあるのが幼虫の残骸です。
そのほかに管理人さんが見たことがあるのはアゲハの成虫、ハマキムシ、コオロギを食べているところです。
6月頃に草むらで幼虫を捕まえて入れておきます。
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クサカゲロウ
アブラムシ、カイガラムシ?を食べます。 |
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9月にクサカゲロウの幼虫を見つけました。白い綿みたいなものを背負っています。カイガラムシかと思いましたが、幼虫はアゴらしきものがあり何となくテントウムシの幼虫に似ています。
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クサカゲロウの卵を見つけました(6月1日)。卵からかえった幼虫はものすごい勢いでアブラムシを食べるのが特徴です。しかしこの時期は農薬散布と重なるため、天敵にやさしい農薬を使用しないと幼虫も死んでしまうので注意が必要です。最近はそういった農薬が発売されるようになってきていることから、当園ではできる限りそれらのものを使っていこうと考えています。 |
服!を脱ぎ捨てたクサカゲロウです。裸のクサカゲロウに遭遇するのは私も人生で初めてです |
ヒラタアブ
アブラムシを食べてくれます。 |
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栽培3年目、エカキムシ、チャハマキ、イセリヤカイガラムシの発生で苦労してきましたが、そろそろ温室内の生物層が安定してほしいと思っていたところ、ヒラタアブの幼虫を発見しました。画像はレモンの葉の半分のアブラムシを食べているヒラタアブの幼虫です。成虫はよく菜の花畑で見かけますよ。今までの経験で天敵はどうも北から南に向かってハウスに侵入してくると言う推理から、今年から北側のビニールを切って窓を開けておいたのが良かったと思います。かなりの大食漢らしく、ものすごい勢いで食べているのため、テントウムシより効果は期待できそうな気がします。期待の星になれるかな? |
ヒラタアブです。一番多く見かけるものとは少し違うようですが撮影に成功したんでアップします。草むらでよく見かけるんで皆さんも注意して見つけてください。 |
名前がわかりませんが、アブラムシを食べていたのでアップします。虫体は中が透けて見えるので名前はとりあえずスケルトンと言うことにしておきます。誰かなんの幼虫か知っている方がいましたら、おしえてください。結構逃げ足が速いのが特徴です。当園のパートさんと同じぐらいかもしれません。当然これを見せたら気持ち悪いと言って・・・ビューんでした。
判明!どうもヒラタアブの幼虫らしいということがわかりました。ヒラタアブにもいろいろ種類があって幼虫の形態にもいろいろあるということです。立ち読みさせていただいた○○堂さん、ありがとうございます。m(__)m |
アブラバチ
アブラムシに寄生します。 |
アオムシコバチ
アゲハのさなぎに寄生します。 |
アマガエル
何でも食べます。 |
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画像の葉っぱの上のぽつんとしているのがアブラバチのマミーです。マミーと言うのはアブラバチが卵を産みつけたアブラムシのことで、この中からアブラバチが羽化してきます。この虫もあぶらな科の植物でよく見られるそうです。ちょうど今(4月22日)、菜の花の種ができているので、レモンの温室の中にこぼしておこうと思っています。ほんとに今年は、天敵のおかげでアブラムシについては楽チン楽チン!テデトールとテデツブースはほんとに大変。 |
無農薬でレモンを栽培するときアゲハチョウの幼虫はとても困ります。少し油断すると葉を全部食べられてしまします。
画像はアオムシコバチが寄生したアゲハのさなぎです。寄生されたさなぎは黒っぽくなるのが特徴です。しかしさなぎの1割ぐらいにしか寄生しないのでやはりテデトールが有効です。
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レモンの上で獲物を待つアマガエルさんです。こいつもいい虫と悪い虫の区別なく食べてしまうんで、レーティングが低いかな。
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クモ類
何でも食べます。 |
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クモ類は非常に種類が多く重要な天敵です。画像はにっくきハマキムシを捕まえているところです。
無農薬栽培を続けているとクモがとってもたくさん増えます。ほんとに小さなものからタランチュラぐらい大きなものまで。
オニグモがアゲハチョウを捕まえたときは管理人さんもやったと叫んでしまいました。
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スクープです。みかんの花の中で蜜を吸いにくるムシをじっと待っているクモを見つけました。足を広げて捕まえる体制を取っています。当園ではクモに悪い影響のある農薬を使用しないためいろいろなクモを見ることができます。河合果樹園のまたの名をスパイダーオーチャードと・・・ほんとか?
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ダンゴムシ
何でも食べます。 |
ショクガタマバエ
アブラムシを食べます。 |
オオモンシロカメムシ
何でも食べます。 |
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皆さんダンゴムシがいい虫だとは思っていないでしょう。土の上のものは、段ボール、ポリ、葉っぱ、木、虫の死骸等何でも食べて分解してくれます。
管理人さんの想像なんですが、ダンゴムシがたくさん増えたときが無農薬栽培のいい状態になったときだと思います。
皆さん嫌わないでね。
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9月、温室みかんの新芽になにやらアブラムシを食べている虫を発見。調べてみるとショクガタタマバエの幼虫だと。アフィデントと言う天敵農薬にもなっているとか。
当園の温室みかんは農薬使用量がとても少なく天敵に影響がある農薬は使用しない方針のためこういった虫が増えてきています。
味と安全性の追求、他に先駆けて挑戦中です。 |
7月から9月にかけて無農薬レモンの温室やミカンの温室で見るようになります。温室みかんではこいつがたくさん見られるようになってからスリップスの発生が少なくなりました。地面にいる昆虫を補食している模様。画像はゴミムシの死骸を食べているところ。こいつが天敵だと発表している文献はないのでは。
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ハサミムシ
他の昆虫を補食&一部雑食 |
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土をいじくっていると出てくるおなじみのハサミムシです。外国では地面に落ちてくる害虫を食べる天敵だという研究が進んでいるそうです。無農薬レモンの温室にはなぜかヨトウムシが進入してこないのはこいつのおかげでしょうか?子供の頃からよく見かけるのに虫を補食しているところは一度も見たことがないので、活動は暗くなってからということになるのでしょう。
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