「果樹園の虫たち」〜地域の自然を学ぼう〜

第19回「ウスバカゲロウ」

ウスバカゲロウ
ウスバカゲロウ
 ウスバカゲロウは地域によって極楽トンボ、神様トンボと呼ばれているそうです。ぱっと見はトンボににているのですが、トンボのようにスイスイと飛ぶのではなくヒラヒラとカゲロウのように飛びます。みかん園ではあまり見かけないため、私も成虫を捕まえたのは初めてです。夜行性だと言うことですが、真っ昼間に捕まえました。子供の頃、祖父に幼虫のアリジゴクを教えてもらい、わざとアリを落として観察(殺生)したのを覚えています。アリジゴクという言葉はどうも危機一髪の状態にはまりこんで脱出できない表現を言うことが多いようで、幼虫のことを知っている人はすくないのではないでしょうか。

アリジゴクは雨に当たらない砂地にすり鉢状の巣をつくり、そこに落ちてきたアリなどの昆虫に大あごを使って砂を浴びせかけて、自分のいる中心部に滑り落として捕らえます。そしてエイリアンのごとく消化液を捕まえた昆虫の体内に注入して体液を吸います。体液を吸った抜け殻は、また大あごを使ってすり鉢の外に放り投げます。おもしろいのはアリジゴクは強力な便秘DNAの持ち主で、幼虫の間は肛門を閉ざして糞をせずに、成虫になってから生まれてから初めて糞をする。よく我慢できる?ミステリアスなムシだと言うことは確かなのでしょう。

【お話し:河合浩樹さん(河合果樹園)】

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