「果樹園の虫たち」〜地域の自然を学ぼう〜

第16回「アオオビハエトリ」


アオオビハエトリ
無農薬レモンの温室のビニールの上にいたハエトリグモの仲間のアオオビハエトリです。動きが速いので撮影に苦労しました。ハエトリと名前に付きますが、実はアリを補食する徘徊性のクモです。前足をあげてじっとしている格好は、アリに擬態しているともいわれています。無農薬のレモンを作る上で、アリは蜜を吸うために蕾をかじったり、アブラムシやカイガラムシの仲間と共生したり、灌水のチューブを詰まらせたりと、作り手の私をかなり苦労させてくれます。そんなアリを食べてくれるのですから、とてもありがたいクモには違いないのですが、やはり多勢に無勢、アリの密度が下がるというほどの効果は今のところありません。

このアオオビハエトリの体色、とてもきれいだと思いませんか。私が撮影した動機もこの体色に惹かれてです。タマムシのページで紹介した構造色、アオオビハエトリも色素ではなく構造色で、きれいな体色を表現しているということです。構造色を自在に表現できるのはいつのことになるのか、とても楽しみです。

【お話し:河合浩樹さん(河合果樹園)】

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