「果樹園の虫たち」〜地域の自然を学ぼう〜

第13回「ダンゴムシ」

ダンゴムシ 画像1
【画像1】
レモンを無農薬で安定した状態で栽培していると、ダンゴムシがとても多く見られるようになります。誰でも一度は手の上にのせて、あそんだ思い出があるのではないでしょうか。ダンゴムシは落ち葉、動物の死骸、植物の葉などを食べてさらさらな有機物に分解してくれます。別名、森の掃除屋とか分解屋と呼ばれていて、当園にとっては働き者な益虫です。

梅雨時は家の中に入ってきたり、鉢の下にたくさんいたりするため、ダンゴムシを殺す農薬がホームセンターなどで売られていますが、なるべく静かに見守って頂ければと思います。なぜなら生物層が安定した環境、言い換えれば空気の澄んだ森の中にいる環境にはダンゴムシが重要な役割をしています。ダンゴムシのおかげで、無農薬レモンの温室の中も澄んだ森の環境と同じ状態になっています。

ダンゴムシ 画像2
【画像2】
画像1はダンゴムシが交尾をしているところです。見分け方は色の薄い方がメスで、濃い方がオスです。画像2はダンゴムシを横から見たものです。こういう角度から見るとダンゴムシがエビやカニの仲間であることが解ると思います。ダンゴムシは日常の生活の近くで見ることができる珍しくない昆虫なのに、実はヨーロッパから来た帰化昆虫だというのには驚かされます。蒸し蒸しした日本の環境が、とても気に入っているようなのです。

【お話し:河合浩樹さん(河合果樹園)】

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