「果樹園の虫たち」〜地域の自然を学ぼう〜

第8回「ベダリアテントウ」

幼虫
幼虫
今回はベダリアテントウを紹介します。先月のイセリアカイガラムシのときに、名前が出てきたのを覚えている方もいると思います。3月になって無農薬レモンの温室の中が温かくなってくると、ベダリアテントウの幼虫と成虫が、イセリアカイガラムシを食べ始めます。このようにべダリアテントウが活動してくれるようになるまで、無農薬栽培期間が3年ほど必要なのがたいへんです。

成虫
成虫
ベダリアテントウは、イセリアカイガラムシ駆除のために、日本に持ち込まれました。注意していないとなかなか見つけられないほどの大きさのため、私も見つけられるようになるまで数年かかりました。当初はイセリアカイガラムシが勝手に死んでいくのがどうしてか分からず、ベダリアテントウの幼虫がイセリアカイガラムシを食べているのを見つけてやっと納得できました。

脱皮
脱皮
このように自然にいる天敵を用いた栽培法は、環境に負荷をかけない栽培法として注目されています。最近では自然にいる天敵のことを土着天敵と呼んでいます。ただ、このような栽培法は現実的に指導できる機関はなく、成果を上げている農家も少ないのが現状です。

【お話し:河合浩樹さん(河合果樹園)】

「河合果樹園」「HomeComing!」の紹介はこちらから>>