「果樹園の虫たち」〜地域の自然を学ぼう〜

第7回「イセリアカイガラムシ」

イセリアカイガラムシイセリアカイガラムシは1920年代に外国から日本へ入ってきたミカンの害虫です。

ミカン以外にもナンテン、ビワ、キイチゴ、アカシアなどにも寄生するので、見たことがある方もいると思います。1880年代の末、カリフォルニアではこの害虫のため柑橘産業が壊滅的な被害を受けました。河合果樹園の温室レモンもはじめのころ、この虫にやられて3割ほど収穫ができなかった覚えがあります。そのときは手間暇かけて手で潰していましたが、いまではベダリアテントウという天敵が温室内に住み着いていて、イセリアカイガラムシを食べてくれるのでとても助かっています。

イセリアカイガラムシイセリアカイガラムシを手で潰すと赤い液体が出てきます。この液体はコチニールと呼ばれる色素で、蒲鉾、ナルト、ウインナーなどの赤色に使われています。
原材料名のところにコチニールと表示されているのでみなさんも注意してみてくださればと思います。イセリアカイガラムシを手で潰す作業のあとは、ゴム手袋は赤く染まってしまいます。洗うの大変だな〜というみんなの声に、私はいつも頭が上がりません。


【お話し:河合浩樹さん(河合果樹園)】

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