「果樹園の虫たち」〜地域の自然を学ぼう〜

第4回「カブトムシ」


カブトムシ
カブトムシ

みかん園にカブトムシ?と思われる方もいると思います。みかんを食べにやってくる(時季が違いますよね。)のではなく、みかん園の脇に積んであるワラや籾殻や堆肥の中にカブトムシが卵を産むため、カブトムシの幼虫がいるのです。積んであるワラなどはみかん園に投入して、みかんの木が成長するための糧になります。いわば資源を有効的に使った循環型農業といえるでしょう。

子供の頃、カブトムシの幼虫を飼ったことのある方も多いと思います。私なんかはあまりにいじりすぎて、上手に成虫に育てられなかった経験があります。しかし昨年の地域循環型のオーナー制収穫祭にてカブトムシの幼虫を掘っていったお子さんから、なんとオス27匹、メス28匹を無事成虫にした写真をいただきました。とても感激しました。

最近ではカブトムシの幼虫のもつ細菌感染抵抗性の研究がされているそうです。土の中には細菌がいっぱいいるのにカブトムシの幼虫が病気にならないのは、体内で細菌を殺す特殊なタンパク質を作ることができるためらしいのです。そのタンパク質をとりだして新しい抗生物質、抗ガン剤、エイズ治療薬を開発する研究が始まっています。昆虫の持つ不思議なパワーを感じます。
カブトムシの幼虫
カブトムシの幼虫

【お話し:河合浩樹さん(河合果樹園)】

「河合果樹園」「HomeComing!」の紹介はこちらから>>